今夜、色のない君と。
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昨日の約束通り、僕は放課後、光世を振り払いながら電車に乗って文聖堂にやって来た。
「緒都くん緒都くん」
僕が本を試し読みしていると、業務部屋から秋野さんが出てきた。
もちろんお出かけの格好で。
「はい?」
「これさ、昨日友人に貰ったんだよ」
そう言って渡されたのは、スーパーやコンビニで売っているような手持ちの花火だった。
それも大増量と書いてある。
「…花火?」
「そそ。出かけ先で昔の友人に会ってね。僕はやらないから緒都くんにあげる」
僕もやらないんだけどな…。