今夜、色のない君と。
秋野さんは、ニコニコ笑いながら、「それは秘密。じゃ、店をお願いします」と言って出かけて行った。
一気にシーン…となる店の中。
僕は一人でつぶやく。
「……え、彼女?」
そんなはずがなかろう。
だがそう思ってしまうのは、秋野さんがいつも以上にご機嫌だったのと、出かけ先で友人にあったということ。
それがもし友人ではなく恋人だったとしたら…。
僕は自分が持っている花火を見た。
…二人で楽しく花火でもしたんだろうか。