今夜、色のない君と。



なんか……元気なくない?



かろうじて笑っているけど、無理しているように見える。



「…花夜?どうしたの?」



僕がそう言って一歩近づくと、花夜は一歩後ずさる。


絶対におかしい。



「花夜?」


「緒都くん……あのね、」


「…うん?」



僕は花夜が話しやすいように、少しかがんで花夜の目線に合わせた。


それでもなかなか話そうとしない花夜。


とても、言いにくそうだ。



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