今夜、色のない君と。


花夜は食い入るように花火を見つめている。



すると、パッと花火の火が消えた。



「あ、あれ?緒都くん、消えちゃったよ?」


「うん」



僕は使い終わった花火をバケツの中に入れると、隣に置いておいたライターを拾った。



「花火はいつか消えるものだよ。花夜もやってみる?」


「うん。やってみる」



僕は花夜が花火を持っている手を握ってロウソクに近づけた。



───シュバアアァァ!



「うわああぁぁ!!」



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