今夜、色のない君と。
君の目からは涙はでない。
そのかわり、とびきりの笑顔を見せてよ。
僕は花夜の色のない顔を両手で包み込んだ。
「花夜、笑って」
「……笑ってるよ」
「もっと。もっと見せて」
「〜〜っこれ以上は無理」
そう言って花夜は僕から離れてしゃがみこんだ。
「……ありがと緒都くん。元気出た」
「うん。よかった」
「………」
「………」
お互いは無言だけど、それがなぜか心地よい。
しばらくしゃがんでる花夜を見つめていたけど、花夜が急にこちらを向いたので、僕は慌てて言った。
「……は、花火、続きやろ」
「……うん」