今夜、色のない君と。



花夜のことを見ながらにっこり笑ってそう言ってきた。



表に出さないだけで、内心はきっと驚きでいっぱいだろう。



「秋野さん。……実はお話があります。時間大丈夫ですか?」



いつものように出かける格好をしているから、時間が心配だ。



「……問題ないよ。…話はここに座りながら」



そう言って秋野さんは、レジの横にある席に促した。


業務部屋から秋野さん専用の椅子を持ってくると、


花夜と僕が隣、向かいが秋野さんという形で座った。



「それで、お話って?」


「……その事なんですけど、秋野さん。今から言うことは、非現実的で、とても信じ難いことだと思います。」



いきなりこんなことを言われても何が何だかわからないはずなのに、真剣な表情で秋野さんは聞いてくれる。



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