今夜、色のない君と。



「それでも、もし今から言うことを信じてくれるなら………助けてくれますか?」



きっと秋野さんなら助けてくれる。


きっと、花夜の力になってくれる。



そう思っていた僕は、甘かったんだろうか。



「話の内容によるね」



そう、秋野さんは言った。


いや、うん。



そりゃそうだ。



まだ僕なんも言ってないし。


ただ……



この秋野さんの表情と眼差し……いつもの優しい秋野さんではなく、


大人の顔をしていたから。



だから僕は、なんとなく……怖かった。



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