今夜、色のない君と。



「緒都くん?」



花夜と秋野さんが、どうしたんだと言いたそうな顔をしてこちらに近づいてくる。



「秋野さん…これ……」


「ん?…ああ、この本は。花夜ちゃんと似た性格のヒロインが出てくる小説だね。これがどうかしたのかい?」


「これの作者と、さっきの小説の作者っ……作者見てくださいっ」



僕は多分、今物凄く興奮していると思う。



花夜が絵の中から出てきたこと。



「……ん?…まさか…こんな偶然って…」



僕が面白いと思った恋愛小説のヒロインと花夜の性格が、瓜二つだったこと。



「秋野さんこれはやっぱり……何かあるんじゃないですか…?」



< 131 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop