今夜、色のない君と。
「緒都くん?」
花夜と秋野さんが、どうしたんだと言いたそうな顔をしてこちらに近づいてくる。
「秋野さん…これ……」
「ん?…ああ、この本は。花夜ちゃんと似た性格のヒロインが出てくる小説だね。これがどうかしたのかい?」
「これの作者と、さっきの小説の作者っ……作者見てくださいっ」
僕は多分、今物凄く興奮していると思う。
花夜が絵の中から出てきたこと。
「……ん?…まさか…こんな偶然って…」
僕が面白いと思った恋愛小説のヒロインと花夜の性格が、瓜二つだったこと。
「秋野さんこれはやっぱり……何かあるんじゃないですか…?」