今夜、色のない君と。



気づかなかった僕も悪いけど、何より……素直に言ってほしかった。



「…だ、だって、緒都くんには迷惑かけたくなかったし、緒都くんが…堂々と自由に生きていけばいいって言ってくれたから……だったら、ここに来た理由は知らなくてもいいんじゃないかって……思ったのは、事実で……」


「…それでも花夜ちゃんは、心の奥底で、知りたいとずっと思ってたんじゃないのかな?」



秋野さんが言った。



「……私は、緒都くんが言ってくれたことで余計なことは考えなくていいと思えたし、嬉しかったけど……たしかに、知りたいと思ってたんだと思います」


「…花夜」


「私がこの世界に来た理由、知りたいです。よろしくお願いします」



そう言って花夜は、僕と秋野さんに対して頭を下げた。



「……ごめん花夜。僕は素直に言ってほしかっただけで……でも、花夜の力にはなれるから、絶対に。だから、もし今みたいに知っておきたいこととか、心配なことがあったら言って。……難しいときも、あるかもだけど…」


「……うん。ありがと緒都くん」



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