今夜、色のない君と。
花夜が心配で、ほっとけないのは確かだけど、恋愛感情があるって程じゃないし……。
「そうですよ秋野さん。緒都くんが私に親切にしてくれるのは、優しいからなんです」
そう、花夜が秋野さんに言った。
柔らかく笑ったかと思うと、急に何かを思い出したように焦りだした。
「そ、そんなことより秋野さん!こ、これから用事があるんではなかったですか…!?」
「あ!!」
花夜が言ったと同時に僕も思い出して、思わず声が出てしまった。
僕は秋野さんの顔を見ながら言った。
「あ、秋野さんだいぶ話しちゃってましたけどいいんですか!?時間、ないんじゃ……」
僕がそう言っても、秋野さんはとくに焦り出す様子もない。