今夜、色のない君と。
むしろすごく余裕ぶっこいている。
「大丈夫だよ。誰かと約束してる訳でもないし、急ぎの用事でもない。強いて言うなら新幹線の代金が無駄になったぐらいかな。はははっ」
「え……」
新幹線の代金ってたしか…東京から京都間だと1万円以上するんじゃ……なかったっけ…?
(※ここは東京の外れの方)
それを笑い飛ばすって……。
「なぁんだ。それならそうと言ってくださいよ秋野さん。私すごく焦りました」
当然ながら新幹線にかかるお金の額を知らないであろう花夜は、
そう言って秋野さんと一緒に笑っている。
…なんだか1人ですごく罪悪感にさいなまれている気がする。
秋野さんのお金を無駄にしてしまったという罪悪感に。