今夜、色のない君と。
「…まだまだ分からないことばかりだけど緒都くん。とりあえずこの小説を読んでみたら?花夜ちゃんの一番近くにいる君が読んでおくのが一番だと思う」
僕は、秋野さんから差し出された小説を受け取った。
“今夜、色のない君と。”
今まで読んできたものより少し分厚い小説は、
何故だか不思議な感じがした。
この本を読めば、少しは、わかるだろうか。
花夜がこの世界に来た理由。
そして、
花夜が何者なのかを───。