今夜、色のない君と。
「いつもの事だけど、今日は来るのが一段と早いね緒都くん」
「今日は終業式だったんで」
「あー、じゃあ明日から夏休みか」
あれから古川 美代子のことについて色々調べて見たけど、とくにこれといった情報は掴めていないままだ。
「緒都くん、夏休みって……えっと…」
「1ヶ月ちょい学校が休みなんだよ」
「ああ、そっかそっか」
秋野さんも他の本屋に行っては古川 美代子の小説を探しているみたいだけど、例の恋愛小説と、ガイドブックの小説しか見つからなかったそうだ。
「いやぁしかし、花夜ちゃんがいると緒都くんが帰ったあとでも賑やかなんだよねぇ」
「そうなんですか」
「すっかり僕達仲良くなっちゃって。ねぇーーっ」
「ねぇーーっ」