今夜、色のない君と。


最初はどうしてこんな本を買ってしまったんだと自分を責めたが、


買ってしまったものはしょうがない。



僕は疲れる覚悟でその小説を読み始めた。




そしてその内容は、僕の想像とはかけはなれていた。


いや、正確には想像した通りのストーリーだったが、


これほどまでにこの小説に惹き込まれるとは思ってもみなかったのだ。



ストーリー自体にじゃない。



そこに出てくる登場人物に、僕は妙に心惹かれていた。



とくに僕の頭に残ったのはヒロインの────



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