今夜、色のない君と。


「え、女のコ?女のコに惹かれたの?」


「………」


「もっとなんかこう、絵の描き方がすごいとか、ここまでリアルに描けるなんて信じられないとか…そういうので惹かれる部分があるんじゃなくて?」


「そうですよダメですか」


「いやダメっていうか……驚きだよね」



秋野さんの目を見ると、若干引いてるようだ。


わかってる。わかってるとも。



言いたいことはわかってるともさ秋野さん。


ただ僕にはまだ引っ掛かってることがある。



「それだけじゃないんです秋野さん。昨日読んだ恋愛小説のヒロインにも、同じ気持ちになったんですよね」


「…なんてこったい」



秋野さんは完全に引いている。


今にも後ずさりしそうな体勢だ。



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