今夜、色のない君と。

出逢い

それから数日間、僕は本屋に通いつめた。



ただ本を買いたかったというのもあるし、その本屋の中に僕の気になる絵が飾ってあるからだ。



僕はその絵をじっくり観察した。



色々な角度から見てみたり、何度も触れたりしたけれど、


僕の胸の鼓動の音がいつもより大きく聞こえるだけで、その絵に特に変わった部分は見られなかった。



恋愛小説のほうも何度も読み返したけれど、今の僕の気持ちが何なのかはわからないまま。



だけど僕のこの想いは、日に日に増していくようだった。



光世に相談する訳にもいかないし、そもそもなんて説明したらいいのかわからない。


引かれた目で見られるのは秋野さんだけで十分だ。