今夜、色のない君と。
───キーンコーンカーンコーン
「はいじゃあチャイム鳴ったからここまで。次の授業までにこの問題解いておくように。とくに藤永な」
誰が解くかこのクソオヤジ。
奴が教室から出るまで全力で睨んでやった。
「おーと!そんなに睨んでっとイケメンな顔が台無しだぞ?」
ちょうどその時、幼なじみの新井 光世(あらい こうせい)が笑いながら近づいてきた。
「うるさいな」
「そんなにあの数学教師が憎いならよ、本ばっか読んでないで少しは数学も勉強しろよ。
お前の頭の良さと集中力があれば簡単にあのオヤジ超えられるだろ」
「数学には興味ない」
「あーあーさいですか」