今夜、色のない君と。
僕は次の授業の国語の教科書類やらをスクールバッグから取り出しながら、鼻で笑った。
メガネをとったところで顔が変わるはずがない。
そもそも僕はイケメンじゃないし。
「もったいねぇよな。せっかく女子の隠れファンが多いってのに」
「何隠れファンって。そんなのファンって言わないよ。それにファンならお前にいっぱいいんじゃん」
「バカお前隠れファンの良さがぜんっぜんわかってねぇな。
あからさまなファンがいるのはただのアイドルだけど、隠れファンがいるってのは不思議な近寄り難い男の子って感じがするだろ?」
「意味わかんないよ」
「俺はそこがかっこいいと思うんだよな」