今夜、色のない君と。
勘だけど、これは僕から隠れるように逃げてる気がする。
泥棒……?
いやでもだとしたら顔見られる前にすぐ出てくだろ。
とりあえず電気をつける。
店の中がパッと明るくなり、ちょっと目が痛い。
誰かいるのか確認するために辺りを見回してみるけど、誰もいない。
もしかしたら本棚のかげとかに隠れてるのかも。
ゆっくりと、さっきの足音がした方へ近づく。
「……誰かいるんですか」
───カタッ