今夜、色のない君と。
───……っ?!
「あ、あの、出ていくので、お願いだから怖くしないで……」
クラスの女子からは聞いたこともないか弱くか細い声。
……女?
「あ、あのっ、ほんとに、言うとおりにするから……だから、その…」
「わかったから。何もしないから。出てきてください」
「………」
しばらくしても中々出てこないので、僕は彼女に言った。
「出てこないなら、僕がそっち行きますからね」
彼女の声が聞こえる方へ歩く。
「えっ!?いや、ちょっ、……わっ!」
───ドサッ
バランスを崩したのか、僕の目の前に倒れ込んだ女のコ。
その姿を見た瞬間、僕は全身が固まった。