今夜、色のない君と。
光世のこの手の話はうんざりするほど聞かされてきた。
こういう話になるといつまでも喋り続けるのだ。
───キーンコーンカーンコーン
「ほらチャイム鳴ったから座れよ。次国語だぞ」
「お前ほんとにわかったか?隠れファンの良さ!」
「わかったから座れ」
「あー何そのテキトーな感じ」
「座れ」
「へいへい」
最後は半ば強引に目で圧力をかけて座らせた。
次の授業が理科とかだったらこの学校から飛び出していたけど、
幸いにも大好きな国語だから、さっきまでの憂鬱な気分はどこかへ吹っ飛んでいった。
「みんな席に着いてますね。それでは授業を始めます。日直さん号令」