今夜、色のない君と。
今はもう真っ暗で、色がない花夜はその暗さに同化して見える。
「どういうこと?」
「緒都くんが来るまでこの店に秋野さんいるでしょ?店にいたら私見つかっちゃうじゃん」
何を言ってるの?という顔で花夜は僕を見つめる。
いや、僕の方こそ何を言ってるの?だけど…。
「絵の中に戻ればいいんじゃないの?」
「それができないんだよね」
「…は?」
それができないって……呑気な言い方だったけど…。
「…それって結構ヤバくない?」
「うん。ヤバい。どうしたら戻れるんだろう」