今夜、色のない君と。
いや……そんなしれっとさらっと…。
花夜は特に焦ってる様子もなく、どうしたら戻れるか必死で考えてる感じでもない。
……でも一番困ったこと、それは…
「花夜、これから毎晩どこで過ごすの?」
そう。
一番はこれだ。
僕の家に連れてくったって花夜は見た目からしてこの社会に溶け込むのは難しい。
家に着くまで電車だって乗らなくちゃいけないし、第一家族になんて説明すればいいのかわからない。
……でも、外でずっと過ごさせるわけにはいかないし…。
「大丈夫だよ緒都くん。私、ここで過ごす」
唐突にそう言ったかと思えば、花夜は文聖堂の目の前の空き家を指さした。
え、まさか……ここでこれから寝泊まりするってこと?