今夜、色のない君と。
「わあっ!」
「っ?!」
暗闇の中から急に何かが出てきたかと思うと、僕の肩にズシンと重みが加わった。
「へへっ。ビックリした?」
「……なんだ花夜か」
コイツはイタズラが好きらしい。
数時間前まではあんなに遠慮がちだったのに。
心を開けば、明るく人の懐に入ってくる。
どこまでも“秋風 花夜”にそっくりだ。
「ふふっ。私、体の色ないから暗闇にいてもあまりわかんないでしょ」
「……いや、うん、そうだけどさ、花夜」
「なに?」
「本当にここで寝泊まりするの?」