今夜、色のない君と。
***
「なあ〜緒都~。今日ほんとにダメなの?」
「無理。来んな」
「えーでも俺、マンガ新しいの買いたいしー」
「他の本屋でも買えるだろ」
「秋野さんにも会いたいしー」
「後付けの理由に秋野さん使うなよ。とにかく無理だから」
翌日、屋上での昼食の時間、光世が文聖堂に本を買いにまた行きたいと言い出したので、
今、やさぁしく断っていたところだ。
「こないだは優しかったのに〜」
「光世に優しくした覚えはない」