先生と17歳のあいだ
――ピピィィ!!
再びホイッスルが鳴って、みんなの視線が玉入れから逸れると、すぐに先生の存在は見つかった。
「えーなんでいくみんが参加してんの?」
「わっ、本当だ!全然気づかなかった!」
どっと、騒がしくなるクラスメイトたちに先生は周りの様子を気にしながら注意する。
「バカ。静かにしろ。見つかるだろ」
もちろん腰を低くしても先生は目立っていて、逆に注意されてしまったことは言うまでもない。
先生が飛び入りしてきたことで私たちのクラスは参加人数がひとり多いことになってしまったけれど、先生は玉を拾っただけだと言い通して、結果的に私たちのクラスは玉入れで二位の成績になった。
「失格になってたらどうするつもりだったんですか?」
玉入れが終わって、グラウンドでは一年生の組体操が行われていた。
「だってお前、めちゃくちゃ頭に直撃されてんだもん」
「み、見てたんですか?」
「位置的に見えたんだよ」
……どうしよう。恥ずかしすぎる。
入場門に整列してた時は視線すら合わなかったのに、そんな見られたくないところだけしっかりと見てるなんてズルい。