先生と17歳のあいだ
「……そんなことより二日酔いは大丈夫になったんですか?」
「うん。ばっちり」
たしかに先生の顔色は普段どおりに戻っていた。
プログラムに書かれた競技も11番目。
残る種目はクラス選抜の二人三脚と大縄跳び。それが終わると体育祭のメインでもあるリレーが始まる。
……ああ、また緊張してきた。
昼休憩の前に発表された中間結果では色別の一位は青組。クラス別では圧倒的に三年が首位を独占していた。
だから、私たちのクラスが優勝するのはすでに難しい。けれど、リレーはおそらく応援合戦も白熱する。
そんな中で自分がアンカーを走るだなんて……。
「あんまり気負うなよ」
うつ向いていた私のおでこを先生が小突いた。
「……そんなこと言われてもムリです。緊張するし、お昼に食べたお弁当が戻ってきそうです」
「はは」
「わ、笑いごとじゃ――」
ムッとしながら顔をあげると、先生は私のことをまっすぐに見ていた。
私はまるで時間を奪われたように動けなくなって、やっぱり今日の私は色々と先生に対して過敏すぎる。