先生と17歳のあいだ
「最終種目はクラス別対抗リレーです。選手の皆さんは入場門にお急ぎください」
そんなアナウンスのあとに、再びアップテンポのメロディーがグラウンドに流れた。
「ま、的井さん。頑張ろうね……!」
城田さんとはスタート位置が違うので、ここでお別れ。
「うん。最終滑走で待ってるね」
ぎゅっと握ってきた城田さんの手を私は強く握り返した。
それから入場してグラウンドの中へと入ると、私は六番手なので二番手と四番手の人たちの奥へと待機させられた。
たくさんの競技が行われたグラウンドは土の匂いが濃くて、自分の身体も汗や埃でベタついている。
なんだかんだと言いながら、今日1日ずっと私は炎天下の中にいて、体育祭というものを体験してきた。
隙があれば木陰で身を潜めようとしても、すぐに競技は始まるし、城田さんもたくさん話しかけてくれた。
こんなに客観的じゃなかった体育祭はいつ以来だろうか。
そして私はメインであるリレーのアンカーまで走ろうとしてる。……本当に本当に自分でもビックリ。