先生と17歳のあいだ








そして、和谷先輩たちとのプールの日がやってきた。


菜穂とはバス停で待ち合わせをして、先輩たちとは現地集合という形になった。



「水着ちゃんと持ってきた?」


菜穂はすでに水着を洋服の下に着ていた。



「うん。なんか色々と不安だから中学の時に使ってたゴーグルも」


「えー授業じゃないんだから大丈夫だよ!」



私が菜穂と買いにいった水着は私服みたいなワンピースタイプのもの。

ビキニなんて着れないし、あまり露出はしたくないと言ったら菜穂がお腹も足も隠れる水着を選んでくれたのだ。



「でも驚いたよ。和谷先輩とプールなんて。そういえば前にも購買のパンを一緒に買ってたね。仲いいの?」


「仲いいっていうか、委員会も一緒だし色々と前から気にかけてくれてて」


「そうなんだ。でも私も補習ばっかりで息が詰まってたから誘ってもらえて嬉しかったよ」



……補習という単語に私はピクリと反応する。



菜穂はもちろん私が行かなくなってからも義務化されているので、当然毎日のように郁巳先生と会っている。



先生と顔を合わせなくなって何日が過ぎただろう。



会いたいけど、会いたくない。

会いたくないけど、会いたい。


そんな気持ちを何度も私は繰り返している。


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