先生と17歳のあいだ
それからバスに乗って20分ほどで屋外プール場へと着いた。
「あ、こっち、こっち!」
入口ゲートの前で和谷先輩が立っていて、こちらに向かって手を振っていた。
「ねえ、和谷先輩の隣にいる人ってS高の千崎さんじゃん!」
隣で菜穂が興奮ぎみに私の肩を叩く。私が友達をひとり連れていくと言ったら先輩もひとりに声をかけてみるというやり取りは事前にしていた。
「千崎さん?菜穂は知り合いなの?」
「違うよー。でもたまに雑誌に載ってたりするからけっこう有名な人だよ」
「そう、なんだ」
私はそういうことに疎いから全然知らなかった。合流した私たちは軽く自己紹介をして、ゲートの中へと入った。
「的井さんは水着着てきた?」
自然と前後二列になっていて、私と先輩は菜穂たちの後ろを歩いていた。
「いえ。だからこれから着替えに行きます」
「じゃあ、一緒に行こう」
すでに水着を着用しているふたりには屋根付きの休憩所でいい場所を確保してもらうことになり、私たちは男女別になっている更衣室へと向かった。