先生と17歳のあいだ
こういうレジャー施設は小さい頃に遊びにきた経験があったけれど、10年前なので記憶が薄い。
私が想像していたよりも施設内はすごく綺麗で、更衣室もしっかりとカーテン付きの個室が用意されていた。
菜穂と水着を選びにいった時にも試着はしたけれど、やっぱり素肌に密着する生地の感覚がどうも慣れない。
個室の中にある鏡で自分の姿を確認したけれど、恥ずかしくてあまり直視することはできなかった。
更衣室を出ると、先に着替え終わっていた先輩が待っていてくれていた。
もちろん先輩は上半身裸で、どこに目を向けていいか困る。
「水着、可愛いね」
先輩が私を見てニコリと笑う。
「……あ、ありがとうございます……」
自信なさげに返事をしたあと、私はワンピースの上に水着用のパーカーを羽織った。
「なんで着ちゃうの?」
「え、ひ、日焼け対策で……」
「そうなの、勿体ない」
なぜか先輩はそう言って残念そうな顔をしていた。
水着に着替えた私たちは菜穂たちがいる休憩所に急ぐ。
夏休みということもあり、プール場はかなり混雑していた。
広さは肉眼では把握できないほどの面積があり、解放感がある空間にはカラフルな水着を着た人たちがすでに泳いでいた。
広大な敷地の中には八種類ほどのプールがあり、全長50メートルのスライダーや子供たちも遊べる遊戯プールなどもたくさんあるそうだ。