先生と17歳のあいだ
それから色々なプールを順番に遊んで、お昼ご飯はプール場にある売店で買って四人で食べた。
私はすでに泳ぎ疲れてヘトヘトだというのに菜穂はものすごく元気で、ホットドッグを食べ終わるとすぐに千崎さんとスライダーがあるほうへと行ってしまった。
「一緒に行かなくてよかったの?」
私は休憩所に残ることになり、隣には和谷先輩もいる。
「スライダーとかスピードが速いものは苦手で……」
「もしかしてジェットコースターとか絶叫系も無理?」
「……はい。たぶんすぐに気持ち悪くなると思います」
「まじ?俺と一緒じゃん!」
先輩は学校の時も気さくに話しかけてくれたけれど、今のほうがずっと親近感があるっていうか……。
私も先輩と話すことに緊張はしなくなっていた。
「あの、プール誘ってくれてありがとうございました」
あの道で先輩に会わなければ私は夏らしいことをなにひとつしないまま終わるところだったし、今日も家でずっと先生のことを考えるだけの日だったと思うから。