先生と17歳のあいだ




それからテストが終わって学校はお昼前に終了した。テスト期間中は部活動なども休みなので生徒たちは一斉に帰り支度をはじめる。



「六花、和谷先輩と昇降口で待ち合わせしてるんでしょ?」



実は二時間目の休み時間に先輩からメールがあり、一緒に帰ろうと誘われていた。

当初は断る予定でいた私も菜穂の後押しもあって帰ることを受け入れていたのだ。



「いくみん、ばいばーい」

「また明日ね」


クラスメイトたちが次々と郁巳先生に軽い挨拶をしていて教室を出ていく。


先生は「ちゃんとテスト勉強するためにまっすぐ帰れよ」と、これからカラオケにでも行きそうな生徒たちを教壇から見送っていた。


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