先生と17歳のあいだ



次の日は前日と同じようにスキーをやって、筋肉痛だと嘆いていた菜穂も一緒にリフトに乗って少しだけ長い距離を一緒に滑ることができた。


ゲレンデにいたカメラマンに写真を撮ってもらって、もちろん先生とも。


私たちの関係は以前と同じように教師と生徒と友達。

だけど不思議なことに告白してフラれた今のほうが先生の顔をよく見ることができる。

先生も、目が合うと笑ってくれた。


先生を独り占めすることはできないけれど、できなかったけれど、今はこれで十分。


告白してよかったと、心から思える。



そして3日目のスキーも終わって、ついに修学旅行の最終日になった。 


お世話になったホテルと別れて、私たちは小樽から札幌へと向かう。


今日のメインはお土産を買うこと。事前に決めていた自由行動のグループで歩くことになっていて、私は菜穂と時計台に行った。


海外の観光客の人たちに紛れながら写真を撮って、大通り公園を歩いた。



春はライラックまつり。夏はYOSAKOIソーラン祭り。秋はオータムフェスト。冬は雪まつりといったイベントが開催される会場でもあるけれど、ちょうど今の季節は特になにもやっていなくて、有名なとうきびワゴンも調べたら先月で営業は終わっていた。



「他の季節の北海道も見てみたいな。卒業旅行でまた来るのもいいかもしれないね」


菜穂の言葉に大きく頷きながら、私たちはアーケードになっている狸小路商店街へと入った。


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