先生と17歳のあいだ
学力試験が終わったあとは面接試験になり、聞かれた内容は主にこれからの学校生活についてのことだった。
入学したらどんなことがしたいのか。
これから挑戦したいことはあるのか。
将来の進路はどのように考えているのか。
私は質問されたことを、ひとつひとつありのままに答えた。
だけど、後ろめたいことは決して言わない。
いい印象を持たれたいわけではなく、自分がこの先どうなりたいのか。
前向きに、ポジティブに。元々運が強いほうじゃないから良いことを引き寄せてほしいという意味も込めて。
これは和谷先輩から学んだこと。
そして、すべての試験が修了して、合否はその日に分かる仕組みになっていた。
結果連絡は電話でくることになっていて、私のスマホが鳴ったのは空の色が変わりはじめていた夕方だった。
試験結果は……合格。
ずっと気が張っていたせいか、大喜びというよりは安心して力が抜けてしまった。