先生と17歳のあいだ
やる気に火がついたクラスメイトたちの種目決めは早かった。
100メートル走や障害物競争などは体力や足に自信がある人たちが立候補してすぐに決まった。
また面倒なことを押し付けられたら、と不安に思っていたけれど、今回は大丈夫そうだ。
「まだ二個目の種目が決まってないヤツいる?」
先生に言われて、私を含めた数人が手を挙げた。
ひとり二つの種目に参加しなければいけない規則があり、私はすでに全員参加の玉入れに入っている。
枠が残っている種目は、綱引きとクラス対抗リレー。
もちろん私は綱引きだろうと油断していると……。
「俺、クラブ対抗のほうに出るからクラスリレー無理」
「あ、私も」
部活に所属してる人たちが次々と綱引きのほうへと流れていく。
どうしようと思っている間に、綱引きの選抜は満員になり、クラスリレーの女子二枠が残ってしまった。
「じゃあ、必然的に的井と城田(しろた)がリレーってことになるけどいい?」
先生の確認に、クラスメイトたちがざわつきはじめる。
「えー的井さんと城田さんがリレーってヤバくない?」
「足が速い人のほうがいいし、調整して決め直せば?」
私と一緒に残ってしまった城田さんとは話したことがない。けど、たしか名前は菜穂(なほ)だった気がする。