溺甘系朧咲夜【完】
「それより流夜さん、さっきなんでこの金髪が流夜さんの恋人みたいなこと言ったんですか?」
あまりの情報量に一時停止していた私の代わりに、頼が訊いていた。頼の口調もトゲトゲしい。
「僕が頼んどいたんだよ。流夜に言い寄ってる女がいるから、軽く撃退しといてって」
「なんで吹雪さんが」
「咲桜のこと知られたくなかったからだよ。バカ姫なら普段とはツラ変えてるから、学生モードで逢っても気づかれないしね。それにバカ姫、ちゃんと言っただろ? 『流夜さんは将来を約束しているので、どうか諦めていただけませんか?』って。約束してるって言っただけで、自分が相手とは言ってない」
あ……。確かに、今思い出せば……。
流夜くんが、また顔をゆがめた。