溺甘系朧咲夜【完】
side流夜
「吹雪! てめえで呼んだんだからバカの後始末しとけよ!」
「はいはーい。早く追ってあげなよ」
「言われなくても! 笑満、頼、あとで連絡するから、今日はこのまま帰れ」
二人が肯くのを見る前に、咲桜を追って扉をぶち開けた。
全力で走る咲桜も、すぐに見つけられた。
「咲桜!」
届いた腕を摑むと、勢いで振り返った咲桜の顔は涙まみれだった。
「りゅ――」
怯えた表情で名前を呼ぼうとした咲桜の、その桜色の唇をふさいた。
「! ンっ」
きつく抱きしめて、呼吸まで奪うように口づける。