溺甘系朧咲夜【完】
「! っ、」
びくっと肩の跳ねた咲桜。一度唇を離す。
咲桜はびっくりした顔でこちらを凝視してくる。
「咲桜、前に言った通りお前のこと甘やかしまくってやるから、ベタベタされるの、覚悟しておけよ?」
「べ、べたべた……」
咲桜の顔がひきつった。いじりがいあるなあ。
「そ。仕事とプライベートはちゃんとわけるけど、プライベートでは咲桜のことしか大事にしないから」
「が、学校はどうするんですか? 仕事ですよ?」
咲桜はどうにか逃げ場を探しているようだ。
咲桜溺愛に目覚めた俺に通じるとでも?
「旧校舎は治外法権」
「べ、べたべたするんですか……?」
「当たり前だろ? ちなみに俺は、遙音がいようが笑満がいようが頼がいようが在義さんがいようが気にしない」
「それは気にしてください! みんなの前でいちゃつくのは勘弁ですっ」