溺甘系朧咲夜【完】
そしてさりげにすごいこと言いまくっているような……。嬉しいような恥ずかしいような……複雑だ。
「咲桜姉様、俺のが男らしくていいだろ?」
「國陽(くにはる)どうする気だお前は! いい加減あいつんとこに落ち着けクソガキ!」
「落ち着いてるわ! 私は國陽くん一筋! 他の奴に興味ナシ!」
「さっきまで咲桜口説いてたのはどこのボンクラだ!」
「流夜兄さんからかうために決まってんだろ!」
「欠片も落ち着いてねーぞガキ!」
「咲桜―、こっちおいでー」
勢いそのままに言い合いになった二人にどうツッコめばいいのかわからずにいると、カウンターの中からふゆちゃんに呼ばれた。
コソコソと移動する。
「ふ、ふゆちゃん……?」
「あのバカたちは放っておいていいよ。って言うか、放っておく以外の対処法がない」
両手を広げて諦めのポーズをするふゆちゃん。ふ、ふゆちゃんに呆れられるなんて……。
「いつもああなの?」