溺甘系朧咲夜【完】


「頼は頼で、咲桜に言い寄るヤツが気に喰わないから僕の話にのってくるだけだよ。僕の手下じゃなくて、単に思惑が一致してるだけ」


「ふゆちゃんと考えが一致するのが一番ヤバいからね⁉」


「頼はもともと問題児じゃない」


呆れた風に言われたけど、呆れられるべきはふゆちゃんの方な気がする。


頼が問題児なのは否定出来ないけど。


……って、先生。言いたいことがあるなら言ってくださいよー! 無言の視線痛いよー!


「ごちそうさま。咲桜ちゃん、今日も美味しかったよー」


「それはよかったです。これから出勤ですよね?」


「うん。じゃ、行ってきまーす」


お茶碗やお皿をさっと片付けていってくれる降渡さん。続いてふゆちゃんも「僕もそろそろ出よっかな」と腰をあげた。


「流夜は? 今日どうする?」


ふゆちゃんは所轄の刑事さんで、普段は資料庫の担当になっている。


現在本業の犯罪学者を無所属(フリー)でやっている先生は、ふゆちゃんの資料庫で過去の犯罪を洗い直しているらしい。

< 19 / 137 >

この作品をシェア

pagetop