溺甘系朧咲夜【完】
私の父親の在義父さんは警察の人で、先生が中学生だった頃から面識がある。
先生と、先生の幼なじみの二人は一緒によくうちにも来ていて、私も小さい頃から遊んでもらった。
だから私は、先生が先生になる前から知っている。
今年二十五歳になる先生は、教師二年目。
大学を卒業してから一年後、『教師をやっている方が都合がいい理由が出来た』と、急に教職に就いた。
空白の一年が出来ちゃうんだけど、その間先生は、フリーの犯罪学者として日本だけでなく世界中の事件に首を突っ込んでいたらしい。
先生はそういうことが日常な人だ。
私は今年、高校に入学した。
先生と同じところって言うのは正直魅力だったけど実を言うと、親友たちと離れたくなくて、私の成績では中学校の先生たちも顔をしかめるようなレベルの学校に挑んだ。
藤城学院は進学校として有名なところだから。
結果、三人そろって見事合格。でも二人は私とは雲泥の差で、主席入学と次席入学したんだよね……。
でも! でもでも、これから三年間は毎日先生のことを見られるんだ。
先生はいつも忙しくしていて、うちに遊びに来たとしても在義父さんと仕事の話をしてばっかりだから、先生が真っ直ぐ私を見てくれる学校は私にとっては大事な場所。
ずっと大すきな先生だから。