溺甘系朧咲夜【完】

突然の乱入者は、一個先輩の夏島遙音先輩だった……。


「何騒いでるの? 遙音く―――」


遙音先輩の後ろからひょこっと顔を出した笑満が、こちらを見て固まった。


「て、――撤収! 笑満ちゃん帰るよ! 頼もカメラ構えるな!」


え、なんでそんな反応――ってそりゃそうだよね! これ問題にしかならんわ!


「先生! 離さないとさっき言った撃退法取りますよ!」


「そんくらいかわせるけど……わかったよ。遙音はうるさい」


固まった笑満と、カメラを構える頼を必死に外へ連れ出そうとする遙音先輩に冷たく言って、先生は離れて行った。


「神宮! 学内でそういうことすんじゃねえよ! フォローする周りの身にもなれ!」


「お前にフォロー頼んでねえよ」


雑に言いかえして、先生は窓際の椅子に戻って行く。


ど、どうしよ……笑満と頼にはなんて言えばあああああ


「なに? 咲桜は神宮と付き合うことにでもなったのか?」


言えるかあああああ! 遙音先輩的確過ぎる!


「いえ、これはそのなんと言いますか~」


「咲桜の男除けだ。今は」


「そうそうそれです! ――って、今は?」


あ……。

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