溺甘系朧咲夜【完】


「せ


「咲桜。こっち来い」


「?」


「?」


唐突に遮られて、私は遙音先輩と顔を見合わせた。


先輩が行って来いと目で言うから、先生に呼ばれて傍へ行く。


「先生?」


「うん、そこにいて」


「はい?」


あれ、用事じゃないの?


突っ立ったまま、何を要求されるでもない。ええ~と?


「神宮、やぱヤケ起こしてんじゃねえか……」


遙音先輩がぼそっと何か呟いてから、


「笑満ちゃん、頼、俺らは帰ってよう。今神宮は触らぬ神たたりなし状態だから」

< 32 / 137 >

この作品をシェア

pagetop