溺甘系朧咲夜【完】


「……咲桜―、帰りは一緒だよー?」


「あ、うん」


何か企んでいる様子の笑満に応じる。


頼は「いい加減カメラ仕舞え」と先輩に怒られていた。


「……先生?」


「なんだ?」


「いえ、なんだはこっちの台詞ですが……あの、私はどうすれば?」


「そこにいてくれればいい」


「え……突っ立ってるだけ?」


「それが嫌ならこうだな」


「へ? うわっ!」


いきなり先生に腕を引かれて、勢いのまま先生の懐へ飛び込んでしまった。


「あ、ああああああの⁉ 先生⁉」


「どうした? 立ってるだけが嫌ならこれでいいだろ?」


「だからこういうの問題にしかならないですって! どうしちゃったんですかっ⁉」


何故か、先生の膝の上に乗っていて正面向いて抱き寄せられている格好。き、昨日から先生がおかしい……!

< 33 / 137 >

この作品をシェア

pagetop