溺甘系朧咲夜【完】
「……咲桜―、帰りは一緒だよー?」
「あ、うん」
何か企んでいる様子の笑満に応じる。
頼は「いい加減カメラ仕舞え」と先輩に怒られていた。
「……先生?」
「なんだ?」
「いえ、なんだはこっちの台詞ですが……あの、私はどうすれば?」
「そこにいてくれればいい」
「え……突っ立ってるだけ?」
「それが嫌ならこうだな」
「へ? うわっ!」
いきなり先生に腕を引かれて、勢いのまま先生の懐へ飛び込んでしまった。
「あ、ああああああの⁉ 先生⁉」
「どうした? 立ってるだけが嫌ならこれでいいだろ?」
「だからこういうの問題にしかならないですって! どうしちゃったんですかっ⁉」
何故か、先生の膝の上に乗っていて正面向いて抱き寄せられている格好。き、昨日から先生がおかしい……!