溺甘系朧咲夜【完】
「――つまりなんですか。先生は私が降渡さんを好きだと勘違いしていたと」
「咲桜が言った好きなヤツの条件、あいつなら全部当てはまるだろ」
……誤解、でした。先生の。
そんで昨日から態度おかしかったのか……。
「全然降渡さんじゃありませんっ。降渡さんは私のこと、先生をからかうためのモノくらいにしか思ってませんからねっ?」
「それだけ咲桜を気に入ってるってことだろ」
「鈍感なのは先生じゃないですかっ! 私昨日言いましたよねっ? 先生のこと好きですって! 先生のこと好きだから告白されても断るし、断ってきました!」
こンの分からず屋! 何回言わせる気だ――っ、て、
「先生⁉ 今度は弄ぶ気ですか!」
いきなり、隙間もないくらい強く抱きすくめられた。
互い違いになって先生の顔は見えなくなる。
「……ほんと?」
「何がですかっ」
「俺を好きって、ほんと?」