溺甘系朧咲夜【完】
side流夜
自分のアホさ加減に嫌気がさした。
咲桜が好きなの、降渡じゃなかった。(当たり前だボケ!by降渡)
夕方から夜への帰宅の道すがら、華取の家に寄った。
昼間のうちに、在義さんには連絡して承諾をいただいている。
在義さんは、俺が咲桜を好きなことは承知だ。
そんな在義さんなら娘の気持ちも知っていただろう。
……あの人どんだけ楽しんでいたんだか。
華取の家の駐車スペースに車を停めてからインターホンを鳴らすと、玄関から私服姿の咲桜が飛び出して来た。
プライベートで俺といるとき制服を着ないのは、咲桜なりの考えあってのようだ。
今年からは同じ学校の教師と生徒だから、問題の芽は少しでもつんでおきたいという。
「お疲れさまですっ」
「うん。準備出来てる?」
「はい! ちゃんと課題も持ちました!」
真面目か。
うーん、もうちょっと色事的な話をしたいんだけど……咲桜の純なところに救われてきているから、今回もそういうことになるんだろう。