溺甘系朧咲夜【完】


「ほんと小さな頃から知ってるからな。誰より幸せになってほしい子って感覚だった。特に思うようになったのは、留学から帰って来てからかな。と言うか、俺と咲桜の年の差でそう前から好きだって自覚あったら俺、刑事事件相当だろう」


「捕まえる側の先生が言うと冗談に聞こえませんが……」


「冗談じゃないからな。はっきりわかったのは、咲桜から告白されたって聞いた昨日。誰にもやりたくないって思ったんだよ」


「それで昨日から様子おかしかったんですか……」


傍から見てもそんな感じだったのか。


それで更に咲桜を困らせていたのか。


「……ごめんな」


……俺で。


「? なんで謝るんですか?」


「んー……鈍感で?」


「もっと謝ってください。私はちゃんと前から自覚ありましたからっ」


……ははっ。可愛いな、ほんと。


「ごめんごめん。咲桜が慕ってくれるのも、兄としてみたいなもんだと思ってた。前は『お兄ちゃん』って呼んでたろ?」


「それは……降渡さんやふゆちゃんとは違う存在でしたから……」

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