溺甘系朧咲夜【完】
「笑わないでくださいーっ! 本当に昨日から先生ヘンだから私の頭までヘンになりそうなんですからねっ⁉」
それで叫びまくっているのか。
「いや、ごめん。俺の態度もおかしかったみたいで悪かった。責任は取るよ」
「……どういう風にですか?」
怪しいものを見る目をされた。
大分信用をなくしてしまったみたいだな。
「してほしいことでも言ってほしいことでも、なんでもあげるよ。何してほしい?」
「うっ……それはまた特大ご褒美を……」
「ご褒美?」
「先生が私にくれるものは全部ご褒美なんです」
……愉快な思考回路しているなあ。
「じゃ、じゃあ、アメリカ時代を教えてくださいっ。先生、留学中のことあまり話してくれないから」
「あー……総てが黒歴史だからな……」
正直話したくないことだ。
でも、この期待に満ちた眼差しをどう裏切れよう。