溺甘系朧咲夜【完】
「まー絆から見たりゅうも否定出来ないけどなー」
ポンポン、と降渡さんがあやすように絆さんの背中を撫でる。
絆さんの言う『女なら誰でもいい』流夜くんは、本当にいたから。
そしてこれが、絆さんが流夜くんを嫌っている原因の一つ。
私は流夜くんたちが高校生当時、絆さんがなんでそんなに流夜くんを毛嫌いするのか不思議で、三人から経緯を聞いているから誤解とかはしてないんだけど。
なんでも、中学への入学を機に上京して以来、告白されまくっていても振りまくっていた流夜くん(理由は、私事したかったから。彼女とかに時間割くの面倒だったから)。
一つ年上の降渡さんと、同い年のふゆちゃんとばかり一緒にいたら、振った相手か、振った相手を好きだった人からか、恨みを買ったらしく噂をばらまかれたらしい。
曰く、流夜くんとふゆちゃんが付き合っている、だから告白されても断っている、と。